シリコン結晶系は、太陽光を電気に変える変換効率が理論値に近いところまで開発が進んでおり、更なるコストダウンの為、最もコストの比率が高いシリコン原料のコストダウンと、シリコン結晶の厚さを薄くする研究が取り組まれています。しかし、今後の大幅なコストダウンは難しく、太陽光発電所用としては薄膜系が主流になると見られています。
薄膜系は、ガラス、金属箔、フィルムなどの上に2〜3ミクロンの太陽電池の層を形成させるもので、現状では結晶系よりも変換効率は低いですが、太陽光発電所を計画する場合に発電コストを結晶系よりも安く出来ることから、発電所用などに主に使われています。また、今後は変換効率を大幅に改良できる可能性があり、数年以内に多結晶系の変換効率に追いつき、発電コストも安くなる為、主流になると期待されています。 2009年時点で世界No.1の太陽電池メーカーはアメリカのファーストソ−ラー社ですが、この太陽電池はカドミニウム・テルル(CdTe)の化合物系薄膜です。最も発電コストが安い為、2009年に初めてNo.1のメーカーになりましたが有毒なカドミニウムを使用しているため、日本では販売されていません。主に、欧米で回収が可能な太陽光発電所向けとして販売されています。
このほかの化合物系として、銅(Copper),インジウム、ガリウム、セレンを用いたCIGS系が注目されています。今後世界で多数のメーカーが参入してくると思われます。これは理論的にも、実験的にもシリコン系薄膜を上回る性能が得られているためです。
現在当社が取り組んでいるのは、ガラス基板を用いた薄膜太陽電池の製造設備で、シリコン系と化合物系太陽電池向けの装置の製作実績があります。現状では主に、液晶における第5世代と同等の、1.1m x 1.4m程度のガラス基板に対応していますが、1辺3mの10世代相当まで対応可能です。太陽電池のガラス基板は厚さは2mm程度と、プラズマ用ガラス基板と同様な厚さのガラス基板を使用しているため、プラズマや液晶の製造ラインの技術の流用が可能です。しかし、太陽電池においては液晶などと比較して、ゴミなどの影響を受けにくい為、クリーン度に対する要求は低く、その分装置を如何に安く作るかが求められています。このため当社では、装置の低コスト化とともに、高速化によるタクトタイム短縮による、生産ライン全体の生産性の向上・低コスト化に取り組んでいます。シリコン系・化合物系ともに、ガラス基板の上に電極層、太陽電池層、透明電極層を真空プロセスで形成します。当社ではラインへの投入、装置への投入取り出し、機器間の搬送などの装置を製作しています。
一方、現在のガラス基板を1枚ごとに生産する枚葉生産ラインではなく、ロールに巻いた連続フィルムなどに成膜するロール・ツー・ロール(Roll to Roll)プロセスの開発が進められています。従来から、ステンレス薄膜の上にシリコン薄膜を成膜した太陽電池は販売されていましたが、日本でも富士電機によるシリコン系薄膜をポリイミドフィルム上に、シリコン薄膜を連続成膜した太陽電池が市販されています。しかし、残念ながらまだガラス基板と比較して変換効率が低く、また、高温でも使用可能なポリイミド基材にする必要があるためコストが高く、一部で使用されるにとどまっています。一方、現在開発が進められているものとして、有機薄膜系や色素増感型があります。この中には、真空プロセスを必要とせず、大気中でコーティングした後に熱処理などをするだけで、太陽電池層が出来るものも有ります。このようなものは生産性が非常に高く、設備的にも安く出来る為、大幅なコストダウンが出来るものと期待されています。当社では、従来からフィルムのハンドリング設備を製作しており、今後はこのようなロール・ツー・ロール(Roll to Roll)プロセスにも取り組んでいきます。
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